日光
【にっこう】

旧国名:下野

大谷(だいや)川上流域に位置し，北部に白根山・男体山をはじめとする日光連山が連なる。西部に中禅寺湖・戦場ケ原・華厳滝など景勝地が多い。日光は二荒からきたもので，二荒の地名の由来は，男体・女峰の両山に男女の二神が現れ二現(ふたあらわれ)山と呼ばれたのが二荒山に転訛したことによるという説，男体山麓の屏風岩の洞穴から毎年雷鳴と暴風が生じ日光一帯を荒したことから二荒の名が起こったとする説などがある。また，二荒に日光の字を当てたのは弘法大師であるともいわれている。日光山といわれる寺社は，天平神護２年勝道上人によって開かれ，山岳仏都として信仰を集め，鎌倉期には源頼朝の庇護を受け，室町期には僧坊500を数え，所領も18万石余までになった。戦国末期豊臣秀吉の小田原城攻撃に際し，日光山衆徒が北条氏を助けたため所領没収の目にあい，一時衰微したが，江戸期に入り東照宮が創建されると二社一寺（東照宮・輪王寺・二荒山神社）および門前町を中心に繁栄した。
【日光町(中世)】　戦国期に見える町名。
【日光(近世)】　江戸期の広域地名。
【日光町(近代)】　明治７～22年の町名。
【日光町(近代)】　明治22年～昭和29年の上都賀郡の自治体名。
【日光市(近代)】　昭和29年～現在の自治体名。
【日光(近代)】　明治22年～現在の大字名。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7043129