八幡宮
【はちまんぐう】

大田原市福原にある神社。旧郷社。祭神は誉田別命。福原八幡宮が通称。社伝によれば，源義家が前九年の役で下向の際当地に滞在し，天喜５年戦勝祈願のために１小祠を建てて石清水八幡宮を勧請したのが創祀というが，別に清和天皇の時藤原良門が諸国に八幡宮を勧請すべき霊地を求めて下向，当地に小祠を建立したとも伝え，創祀は未詳（旧県史３）。嘉承元年須藤権守貞信が八溝山の巌岳丸を誅伐する際，当社に祈願し，その報賽として社殿を造営するなど須藤家の氏神として崇敬した。那須与一が屋島の合戦で見事扇の的を射落とすことができたのは神助によるものとして，元暦２年社殿を再建し，社領を安堵したと伝える。近世には水田５反５畝歩が寄進され，金剛寿院が別当を勤めた（旧県史３）。明治５年郷社に列格。例祭は10月14日。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7043271