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人丸神社
【ひとまるじんじゃ】


佐野市小中町にある神社。旧村社。祭神は柿本人麻呂。社伝では,柿本人麻呂がこの地に止宿して「しもつけの安蘇野の原のあさあけにもやかけわたるつつら草かな」の1首を詠じ,のち元慶元年に村人が石見国高角山の柿本神社(柿本人麻呂の終焉地,島根県益田市)から勧請して祀ったという。人麻呂が賊に追われてこの地に至り,麦畑の中に逃げ込んだ時に片眼を潰したので,しばらくこの地にとどまったという伝説もある(旧県史3)。人麻呂を祭神とする神社は全国各地にあるが,多くはヒトマル(火止まる)の神として防火・鎮火祈願の信仰を集めている。当社境内には市指定天然記念物の清池があり,防火とともに水源の神としても信仰されていたのであろう。明治6年に小中村以下5か村の郷社となるが,同10年に小中村の村社となった。伝来の小野寺流神楽は,宝永年間以来の伝統を持ち,創始当時奉納されたと伝える社蔵の神楽面8面のうち2面には出目勝満の銘がある。神楽と神楽面2面は市指定文化財。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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