前田
【まえた】

旧国名:下野

那珂川支流松葉川と野上川が合流する段丘上に位置する。地名の由来は黒羽城の前面に開けた四神相応の地相によるという（那須郡誌）。弾正館跡のほか，字鉢木には伊王野氏が天正初期に築いた出城で縄文中期遺跡とも重なる構え場跡がある。縄文中・後期の鉢木遺跡からは住居跡と石囲炉が検出され，後期堀之内式・称名寺式土器が出土。字八幡館には八幡館山城跡があり，天正４年には大関高増の築城した黒羽城の一部となるが，城頭に八幡の神が祀られていたので八幡館と称した。文政年間鎮国社が置かれた。また元禄２年芭蕉が滞在した浄法寺屋敷跡や句碑は当地にある。
【前田村(近世)】　江戸期～明治22年の村名。
【前田町(近世)】　江戸期の町名。
【前田(近代)】　明治22年～現在の黒羽町の大字名。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7043677