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御厨神社
【みくりやじんじゃ】


足利市福富町にある神社。旧郷社。祭神は内宮が天照皇大神,外宮が豊受大神。古くは神明宮と称し,現在地に外宮が,北北東100mの地に内宮が祀られていた。大神宮様が通称。社伝によれば源義家が,前九年の役で奥州下向の際当地に滞在して,伊勢神宮に戦勝祈願した。その後霊験により平定できたので,康平5年に勧請したのが創祀という。しかしながら当地はかつての梁田御厨の地で,「神宮雑例集」に「御厨御園事,合四百五十余所」と記されるうちの1つ(群書1)。康治2年に伊勢両宮の御厨として立券されたが,それ以前も内宮のみの御厨であったといわれる(建久3年8月付伊勢大神宮所領注文/鎌遺614)。御厨には伊勢神宮の遥拝所として神明宮が勧請されるのが例であるから,当地に御厨が成立して以後当社も勧請されたものであろう。旧梁田郡内には数多くの神明宮,神明神社があり,それらの中心的存在であったと考えられる。「地名辞書」は下野国二宮と称したとするが未詳。建久8年源頼朝が社殿を再建し,社領を寄進したといわれる。寛文7年3月の火災で旧記を焼失し,以後の沿革は未詳(旧県史3)。明治8年現社名に改称し,翌9年郷社に列格。昭和5年内宮の地が渡良瀬川堤防敷となったため外宮に合祀したが,同8年外宮の位置に内宮を,その東隣りに外宮を造営して別殿とした。例祭は4月15日,10月17日。正月14日には筒粥神事が,3月1日には御田植祭がある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7043769