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三和神社
【みわじんじゃ】


那須郡小川町三輪にある神社。延喜式内社。旧郷社。祭神は大物主命。那珂川の右岸段丘上に位置する。社伝によれば,推古天皇12年に大和国三諸山の大神神社を勧請したのが創祀という。もとは宮窪にあったが,現在地に遷座したと伝える。当地は「和名抄」那須郡の三和郷にあたり,付近に那須国造碑(国宝),上・下侍塚古墳,那須郡衙跡(以上国史跡)などがあり,那須国造勢力の中心地であった。従って豊城入彦命(崇神天皇皇子)を祖とする那須国造家が,崇神王朝(三輪王朝)と関係の深い大和の三輪神を祀ったものであろう。承和5年9月官社に列し(続日本後紀),元慶4年8月正五位上,仁和元年2月従四位下へ昇叙した(三代実録)。「延喜式」神名帳那須郡条に「三和神社」とある。「朝野群載」所収の康和5年6月10日付神祇官謹奏には,「坐下野国二荒山神・三和神」等の社司が神事を穢したため祟があり,中祓を科したことが知られる。長治2年須藤権守貞信が勅命で八溝山の巌岳丸を誅伐する際,当社に祈願し,その報賽として社殿を再建したと伝える。代々那須氏の崇敬が篤く,中世にはその保護の下に隆盛だった(旧県史3)。応永10年6月にも当社社司の穢の祟により中祓が科されている(伯家部類/大日料7-6)。近世期には当山派修験の明宝寺が別当として奉仕した(下野国誌)。明治6年郷社に列格。例祭は10月30日。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7043909