胸形神社
【むなかたじんじゃ】

小山(おやま)市寒川にある神社。旧郷社。祭神は田心姫命。市杵島姫命・多岐津比売命を配祀する。創祀は未詳だが，かつての赤麻沼の沿岸に位置していると考えられ，海人集団が奉祀したのかもしれない。一般的には「延喜式」神名帳寒川郡条の「胷形神社」といわれるが，市内網戸の網戸神社は田心姫命を祀り，筑前宗像神社を勧請したと伝え，式内社を主張している。当社は寒川郡の惣社として信仰を集めたが，その後社運は衰微したと伝える。近世には真言宗の医王寺が別当として奉仕した（下野国誌）。弘化元年９月社殿が再建され，明治５年郷社に列格。昭和16年の巴波川の洪水で社殿は流出し，境内も狭められたが，翌17年社殿を再建。例祭は10月19日。境内の榎は市指定天然記念物。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7043927