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室の八嶋
【むろのやしま】


栃木市惣社町地内の大神神社境内には8つの人工の小島があり,それぞれに浅間神社の小祠があり,これを総称して「室の八嶋」という。この地は,東方を思川水系の小倉川が流れるが扇状地であるため伏流し,この付近で湧水となってあらわれる。すなわち扇端部にあたる。水に縁のある「嶋」の地名もこのようなことからでてくるのではなかろうか。また古くから和歌の歌枕としてこの語が使用され,勅撰和歌集である「八代集」にもしばしばあらわれ,藤原実方以来数十首の歌に詠まれた。また「平治物語」「奥の細道」にも出てくる文学上の故地でもある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7043939