真岡工業団地
【もおかこうぎょうだんち】

真岡(もおか)市の西部にある2つの工業団地の総称。第1工業団地は松山町に,第2工業団地はその北方鬼怒(きぬ)ケ丘に位置する。真岡市の西,鬼怒川左岸は広大な洪積台地が連続し,台地綿は雑木林と畑地の卓越する地域であったが,この地に当工業団地が造成された。第1工業団地は総面積175.4ha,工業用地面積156.8ha,分譲率100%,立地企業35社,従業員数4,835人。昭和39~41年に造成され,昭和41年分譲開始,同48年完了した。第2工業団地は総面積130.9ha,工業用地面積113.6ha,分譲率100%,立地企業21社,従業員数2,579年(昭和57年3月)。昭和41~43年に造成され,同43年分譲開始,同48年完了した。昭和39年,真岡市が首都圏整備法に基づいて都市開発区域に指定され,当工業団地出現の端緒となり,日本住宅公団が事業主体となって開発した。第1工業団地の本社所在地をみると東京都内15社,横浜市4社,千葉市・富士市・大阪市・門真(かどま)市各1社で,京浜地区・阪神地区からの進出企業が目立つ。一般・輸送用・電気・精密の各種機械,鉄鋼,金属製品,化学などの製造・加工を中心として窯業土石,木材・木製品,印刷,食品などの企業も含まれる。製品でみると自動車部品の生産が圧倒的に多い。本田技研・松下電工・小松インターナショナルなど大手企業も点在するが,大部分の企業は従業員数100~500人,資本金額1億円以上の中堅企業である(昭和56年3月現在)。第2工業団地の本社所在地をみると,東京都内10社,大阪市2社,そのほかでは横浜市・東大阪市・神戸市・下関市・北九州市各1社で,やはり京浜地区が多く,西日本各地のものもみられる。一般機械・鉄鋼・金属製品を軸として化学・窯業土石・紙・パルプ加工・食品などの製造・加工の企業もみられる。第1工業団地が自動車関連部品製造が多いのに対し,第2工業団地には自動車関連部品もあるが,神戸製鋼真岡工場がきわだち,アルミ圧延展伸を行い従業員数でも1,000人を超え,両工業団地では最大規模の工場である。当工業団地は,京浜地区に本拠を持つ企業が設備増設,技術革新などに伴って外延部に分散進出をし,阪神地区以西の企業にとっては東北日本,特に関東地方進出の拠点としたもので,河内郡上三川(かみのかわ)町に進出している日産自動車の下請生産に従事する企業の多い点にも特色がある。第1~2工業団地を結ぶ産業道路は鬼怒川左岸を南北に貫通し,真岡市内には進出企業従業員のための住宅団地が造成されるなど,工業団地進出に伴い都市改造・道路交通にもその影響は波及している。

![]() | KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7043949 |





