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八溝県立自然公園
【やみぞけんりつしぜんこうえん】


那須郡那須町・黒羽町・小川町・馬頭町・湯津上村の4町1村に及ぶ県立自然公園。昭和46年7月指定。面積6,927ha。東部の那珂川流域およびその支流の黒川,武茂(むも)川沿いの地域,さらに八溝山地の主峰八溝山(1,022m)の山麓が含まれて那珂川地区・八溝地区・雲巌寺地区の3地区からなる。八溝山地北部の八溝山塊は古生界の岩石からなり600~1,000mの高度を有し,次第に南に低くなる。八溝の名のように開析が進んでおり,谷密度が高い。山地西縁を蛇行して流れる那珂川の清流と流域の田園風景は美しく,史跡・文化財の分布も豊富である。黒羽町では黒羽城跡・大雄寺・芭蕉句碑・高館城跡・雲巌寺など中・近世の遺跡が多く,いくつかの地点では縄文各期の遺跡が発掘されている。湯津上村では国宝に指定された那須国造碑,上・下の侍塚古墳,小川町には那須官衙跡とされる梅曽遺跡,県内11延喜式内社の1つの三和神社,馬頭町は凝灰岩の横穴式古墳である唐の御所,馬頭観音を本尊とする馬頭院,式内社建武神社などがあり,そのほかにも多くの遺跡・文化財が存在する。天保年間に起源を持つという小砂焼が馬頭町小砂で特異な存在を示し,同町内の那珂川河川敷から湧出する広瀬・小口両温泉も当自然公園に変化を与えている。歴史的・文学的探勝のみでなく釣・ハイキング・展望などにも好適な地域となっている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7044094