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遊行柳
【ゆぎょうのやなぎ】


那須町芦野地内の温泉神社社頭に古くからあったといわれる柳をいう。芦野は中世には芦野氏,那須氏の支配下で栄え,江戸時代に入って宇都宮で分岐した奥州街道10宿のうち,下野北端の宿場町であり,旅人の往来でにぎわったが,明治以後鉄道,国道の交通幹線からはずれ,県境地域の小地方中心に停滞している。古くから東北地方への通過点であったことから,しばしば歌枕として詠まれている。現在,代替りをした遊行柳があり,脇に西行歌碑「道の辺に清水流るる柳かげしばしとてこそ立ちどまりつれ」,また松尾芭蕉の「奥の細道」中の「田一枚植えて立去る柳かな」や与謝蕪村の句碑も立ち,かつて旅人の口々にのぼった遊行柳がしのばれる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7044110