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浅間牧場
【あさまぼくじょう】


浅間山北東麓,吾妻(あがつま)郡長野原町にある高原牧場。標高1,300m。総面積800ha,草地面積は410ha。上信越高原国立公園内,浅間高原の中央に位置する。波浪状の起伏があるが,全体的には北に緩傾斜する地形で,火山性砂礫を母材とする土壌が卓越する。明治16年北白川宮能久親王により放牧場として開設されたことを嚆矢とする。昭和6年には群馬県畜産組合連合会が経営にあたり,約1,000頭の馬が放牧された。昭和27年からは県営牧野として乳牛が受託放牧されるようになり,浅間家畜育成牧場と改称された。放牧形態は5月から10月までの夏季受託放牧と,5月から翌年の夏までの年間受託放牧の2種類である。受託放牧牛は夏季700頭,冬季220頭。草地は永年性の混播牧草(オチャードグラス・チモシー・クローバー)で構成され,40ha程度の牧区に区分されている。1牧区には120頭前後の牛が放牧され,3日から5日で次の牧区に移動している。昭和51年からは乳用種雄牛の後代検定事業が開始され,畜産振興に貢献している。周辺には土産店やレストランが立地し,浅間高原における観光拠点の1つになっている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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