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伊香保神社
【いかほじんじゃ】


北群馬郡伊香保町伊香保にある神社。伊賀保とも記され,延喜式内社。旧県社。祭神は大己貴命・少彦名命。社伝によると垂仁天皇の代に創建されたと伝えるが,天長2年の創建ともいう。本来伊香保の山を祀ったもので,伊香保山東南一帯の地を有馬郷と呼び,上毛野君の一族である阿利真(ありま)公が支配し,伊香保神社を奉じていた。承和2年9月29日に名神にあずかり,同6年6月に従五位下を授けられた(続日本後紀)。貞観9年6月に正五位下,同11年12月に正五位上,同18年4月に従四位下,元慶4年5月に従四位上へ昇階した(三代実録)。「延喜式神名帳」に群馬郡3座のうち「伊加保神社〈名神大〉」と見える。「上野国神名帳」(総社神社蔵/県史資料編6)には正一位伊賀保大明神とある。赤木文庫本「神道集」の上野国九ケ所大明神事に「三ノ宮伊香保大明神」とあり,上野国第三宮伊香保大明神事には,大明神は男女2体で男体は伊香保の湯を守り,湯前に居る時は本地は薬師で、女体は里へ下って三宮渋川保に居り本地は十一面観音という。社はもと若伊香保神社の付近(渋川市有馬)にあったが,7世紀頃からの榛名二ツ岳の噴火をのがれ,三宮神社の地(北群馬郡吉岡町大久保)に移り,鎌倉期に社領を渋川氏や桃井氏の武将に押領され,現在地の「上野国神名帳」に正三位温泉明神とある神社の境内に鎮座した。現在温泉明神は湯前明神として伊香保神社の摂社となっている。明治6年県社に列格。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7044426