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岡崎
【おかざき】


旧国名:上野

榛名(はるな)山北麓,吾妻(あがつま)川中流右岸に位置し,東境を沼尾川が北流する。地名は,元和元年当地に陣屋を設置した際,白井城主本多氏の出身地岡崎にちなんで名付けられた。昭和10年の県古墳調査では,砂押に雷神丸という短刀を埋めたと伝えられる古墳が1基存在する。古くは五町田・箱島とともに南箱島と称し,のちに分村し新定利村となるが詳細は不明。上野(こうずけ)九牧の1つ沼尾(治尾)牧については異論もあるが,当地が有馬牧と市代牧の中間に位置し,榛名山北麓の原野が「万葉集」にも詠まれた榛原で,この榛原の尾,つまり裾野を治尾と呼び当地に比定する考えもある。中世には白井城主長尾氏の支配下だったが,16世紀後半の白井は武田・上杉さらに北条の勢力角逐の場となった。吾妻川の河岸段丘崖上の根古屋に柏原城(根古屋城)があり,岩櫃城と白井城の勢力の接点の要衝にあり,攻防の舞台になる。「双林寺伝記」長尾憲景伝(県史資料編7)に「元亀三年八月上旬,武田信玄,真田安房守信幸ヲ先手トシテ……柏原ノ館ヲモ攻落シテ」とあり,「沼田風土記」によれば,天正10年頃真田氏に帰属し,荒牧宮内左衛門・湯本九右衛門が在城したという。天正10~16年頃の城主金子美濃守は,水利が不便な城に導水を考え,遠く箱島不動尊の湧水を引こうと工事に着手したが未完で終わり,現在も山腹に金子堀と呼ばれる跡が残る。
岡崎新田村(近世)】 江戸期~明治22年の村名。
岡崎(近代)】 明治22年~現在の東村の大字名。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7044798