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尾曳稲荷神社
【おびきいなりじんじゃ】


館林市尾曳町にある神社。祭神は倉稲魂命。当社に伝わる伝説によると,大袋城(館林市羽附)城主の赤井照光が子供たちにいじめられているキツネの子を助けた恩に報い,白キツネが沼の北岸館林の地に尾を曳き,城の縄張りを教えた。これにより照光は天文元年に築城し尾曳城と称し,尾曳稲荷社を城の一隅に創建し守護神としたのに始まると伝える。しかし,当社は館林築城よりも古く,すでに南北朝期に創建されていたのを城の守護神とし,本丸と相対するように西向きにかえたとも伝える。この分社は栃木県足利市県町と山形県天童市にある。足利市の社は徳川綱吉が館林城主の時にその家老本庄道芳の所領に,天童市の社は秋元氏が館林移封後もその領地があったので,それぞれ領民の守護神として分霊を奉遷したという。江戸期を通じ館林城下では稲荷の眷属であるキツネを保護する一方,その仇敵であるイヌを嫌い飼育を禁止したという。明治期に八幡郭内の八幡宮,鷹匠町の瓜内稲荷,裏宿の恵稲荷などを合祀した。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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