勝保沢
【かつほざわ】

旧国名:上野

緩傾斜の赤城山麓原がやや急になり，輻射谷が発達しはじめる標高約350mの台地上に位置する。南は剃刀窪の沢，北は諏訪沢川に限られた地域。その間に後窪・湧玉川・奥沢の３条の輻射谷が西走して台地を四分し，各台地の南傾斜地に集落が東西に並列する。台地は桑園および畑に，浅い輻射谷は水田に利用されている。表土は軽石混じりの黒土で，その下は約50cmの軽石層，黒土層，関東ローム層。地名の由来はカツモ（マコモ）の生えている沢の意であろうという。字湧玉に同名の湧水があり，沢の両側の台地には縄文中期の土器片が散布，字寺内には縄文中期遺物が散布し，土師の住居跡も発見された。同地は中世の城館跡（勝保沢城）があり，利根川西白井城主長尾氏の家臣斎藤加賀守安清が居住したと伝える。
【勝保沢村(近世)】　江戸期～明治22年の村名。
【勝保沢(近代)】　明治22年～現在の大字名。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7044942