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袈裟丸山
【けさまるやま】


利根郡利根村・勢多郡東村と栃木県足尾町にまたがる山。標高1,878m。足尾山地に属する成層火山で,山全体が開析されている。火山活動は,本袈裟丸山・後袈裟丸山・前袈裟丸山からなる南北に続く稜線付近で行われたらしい。火山噴出物は溶岩と凝灰岩からなり,比較的規則正しく交互に重なり合っている。岩質は複輝石安山岩からなり,大きな斜長石斑晶が含まれている。開山は弘法大師と伝えられている。袈裟・寝釈迦(弘法大師の作と伝えられる。みかげ石の岩場に,北枕・西向・右脇を下にした釈迦像)・相輪塔(高さ18m・幅8mで上が大きく下が小さい。逆に積み上げたといわれている)・賽の河原など宗教的な名称が多い。沢入(そうり)の大沢寺では,旧暦4月8日の花祭りの日に登山して,寝釈迦にお参りする行事がある。植生は,1,600m付近までスギ・ヒノキ・カラマツなどが植林されている。植林されていない所は落葉樹林となっている。1,700m以上になるとコメツガの群落がある。山麓一帯は原生林が多く,野生動物も多い。特にクマタカ・オオタカ・イヌワシなど貴重なタカ類が生息している。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7045325