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三ノ倉
【さんのくら】


旧国名:上野

榛名(はるな)山南西麓,烏川上流左岸と同川支流榛名川右岸に位置する。地名は,豊城入彦命が当地に貢租の蔵を設置し御蔵と称したことによるという。現在御蔵屋敷の地名が残っている(倉田村郷土誌)。地内には弥生時代の樽式土器を標式とする遺跡がある。建久4年に源頼朝が浅間巻狩りの帰路に通行(曽我物語)。当地は鎌倉期から榛名山の寺社領で,榛名神社と密接な関係をもっていた。南北朝期には石上に榛名山座主頼印僧正が居住していたといわれる寺跡があり,当時の榛名山の内紛を物語る「座主の森」などの口碑がある。三倉山全透院には室町初期の延命地蔵木像があり,大永2年当山を中興開基した大戸の浦野弾正貞重の墓がある。土城谷戸には,伝説熊谷次郎直実の愛馬権田栗毛ゆかりの馬頭観音堂跡,高野谷戸には,永禄9年箕輪城落城の際当地まで逃れて自害したと伝えられる箕輪城主長野業政夫人の藤鶴姫の墓がある。
三蔵(中世)】 南北朝期から見える地名。
三野倉村(近世)】 江戸期~明治22年の村名。
三ノ倉(近代)】 明治22年~現在の大字名。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7045564