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三宮神社
【さんのみやじんじゃ】


北群馬郡吉岡町大久保にある神社。祭神は彦火々出見命・少彦名命・豊玉姫命。社名はこの3柱の神を祭るためとも,彦火々出見命は瓊々杵命の第三皇子であるためともいわれる。もとは当地方を支配していた豪族有馬君が祀っていた「延喜式内社」12社の1つ,伊香保神社が現在の渋川市有馬(現若伊香保神社あたり)に鎮座していたが,榛名ニツ岳の大噴火の被害を受け,難をのがれるため当地に遷座され,国司や民衆の崇拝を受けて,三之宮の社格を得たと思われる。「神道集」に伊香保明神は男女2体あって,男体は伊香保の湯を守護して本地仏は薬師であり,女体は里へ下って三宮の渋川の保にいて本地仏は十一面観音と記されている。しかし,鎌倉期には桃井氏や渋川氏の武将が勢力を拡大し社領を奪われたので,現北群馬群伊香保町に伊香保神社は遷座され,元の社地に三宮神社が祀られたと考えられる。本殿内には本地仏の十一面観音が安置されている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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