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上信越高原国立公園
【じょうしんえつこうげんこくりつこうえん】


群馬・長野・新潟の3県にまたがる国立公園。昭和24年9月7日全国で15番目の国立公園として指定。面積18万9,028ha,全国第3位の広さをもつ。本県の公園区域は利根郡水上町・新治(にいはる)村,吾妻(あがつま)郡中之条町・六合(くに)村・長野原町・草津町・嬬恋(つまごい)村,碓氷(うすい)郡松井田町に広がり,その面積は全体の約32%にあたる6万679haに及ぶ。首都圏外縁に位置し,JR上越線やJR信越本線などの沿線にあるため,四季を通じて保養リゾート・登山・温泉浴・行楽・スキーなどの観光客が多い。谷川岳に代表されるアルプス的な山岳景観と浅間山や草津白根山などの火山景観は日本有数の景勝地であり,新緑・深緑・紅葉シーズンの行楽の対象となっている。本州の脊梁山脈にあたる三国山脈では谷川岳のロック・クライミングなどの登山が盛んであるだけでなく,冬季の豪雪を利用して草津・万座・谷川岳天神平・志賀高原・苗場などのスキー場が多く立地している。浅間山に代表される火山斜面は高原の夏の冷涼な気候を利用した別荘地や保養リゾート地として開発され,軽井沢(長野県北佐久郡)や北軽井沢(長野原町)など保養・休養集落が形成されている。高原は主にシラカバやカラマツで覆われ,公園を代表する森林イメージをつくっている。火山性山麓には草津・万座・四万・鹿沢などの著名な温泉が数多く点在し,単純泉・硫黄泉・硫化水素泉・石膏泉など泉質も多種多様である。湯量も豊富であるため古くから湯治場が立地し,温泉集落が形成されてきた。近年では,温泉と別荘地,あるいはスポーツ施設と結びつけた観光開発が盛んに行われ,温泉集落は保養リゾート地としての性格を強くしている。この公園内では,かつて三国街道や中山道が通っていたため,歴史景観も重要な観光資源になっている。三国峠の三国権現,碓氷峠の熊野権現,猿ケ京温泉の関所跡は史跡として知られる。昭和60年現在,本県におけるこの公園の観光客総数は1,100万人で,その約60%が宿泊客である。草津温泉は観光客総数260万人で最大の観光地であり,次いで浅間高原の240万人,水上温泉の140万人の順になっている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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