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田代湖
【たしろこ】


吾妻(あがつま)郡嬬恋(つまごい)村田代にある人造湖。吾妻川左岸の段丘上(1,120m)に位置する。自然の湿地帯を利用して,大正15年当時の吾妻川電力会社により堰堤が築かれて本県初の発電用貯水池(ダム湖)が完成した。ダムに貯えられた水は湖から1kmほど離れた鹿沢発電所(当時は田代発電所)の動力となっている。ダム湖といっても,川を堰止めてつくるダム式発電のダムではなく,水路式発電だが水量調整のための調整池である。現在東京電力により管理されている。吾妻川の水を田代集落の西端付近から暗渠による水路で田代湖まで導いて貯水している。湖の周囲約6km,面積77.45ha,貯水容積553万1,000m(^3)で,水深は満水時で約15m,発電用として常時使用するので,年間の水位と水域の変化は著しい。ダムの高さ20m・長さ981.82mで,長い堰堤で築かれた貯水池。最大出力5,200kwの鹿沢発電所で使用した水は,さらに暗渠で下流の西窪(さいくぼ)発電所に供給している。田代湖は四阿(あずまや)山の溶岩流の末端の凹地にできた湿地であるため,周囲の地質は安山岩や安山岩質火砕流および火山灰質の土壌に覆われている。湖は吾妻地方の景勝地として知られ,近くに新鹿沢温泉がある。湖の周囲は嬬恋キャベツで知られるキャベツ畑が広く分布しており,湖に接する田代集落はキャベツを中心とする高原野菜および種馬鈴薯栽培の中心的な集落として知られている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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