鳥居峠
【とりいとうげ】

県北西部,吾妻(あがつま)郡嬬恋(つまごい)村と長野県小県郡真田町との県境にある峠。標高1,362m。北の四阿(あずまや)山(2,333m)・的岩山(1,746m)と南の湯ノ丸山(2,099m)・角間山(1,981m)の鞍部に位置する。この峠越え道は大笹・仁礼道と呼ばれ,中世以来真田氏の往来や物資の輸送に用いられてきた。近世には大笹街道,あるいは信州街道と呼ばれるようになり,上田~高崎間が碓氷(うすい)峠越えよりも約40km短いため,中山道の脇往還として廻米輸送や商品輸送などの往来で栄えた。峠は信濃国北部と関東とを結ぶ交通の要衝であり,経済や文化の交流に重要な役割を果たしてきた。峠の麓集落大笹には関所も設けられた。峠越え道の車道は昭和9年に完成し,大笹街道は県道中之条上田線としてトラックやバスなどの自動車交通に用いられるようになった。県道は昭和30年に国道に編入され,現在は国道144号が通り,長野県北部と関東とを結ぶ交通の要衝となっている。近年では上信越高原国立公園の観光ルートの拠点となり,自動車交通量は多い。峠の古名は碓日坂といい,日本武尊がなき妻弟橘姫を追慕する「あづまはや」の伝説がある。また,峠からは四阿山山頂の吾妻山権現に至る登拝路があり,その入口に和銅元年建立の石の鳥居がある。峠名はこれにちなんで命名された。峠周辺はカラマツに囲まれ,眺望がよいため休憩所が設けられている。

![]() | KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7046319 |





