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日光国立公園
【にっこうこくりつこうえん】


群馬・栃木・福島・新潟の4県にまたがる国立公園。昭和9年12月4日,阿寒・大雪山・中部山岳・阿蘇とともに,わが国で雲仙・霧島・瀬戸内に次いで4番目に指定された。面積は14万698ha。本県では利根郡片品村に公園区域が広がり,その面積は公園全体の15.4%にあたる2万1,607haに及ぶ。この公園は,那須火山帯に属する日光白根山・男体山(栃木県),燧岳(福島県)など標高2,000mを越える火山群やそれらの間に点在する尾瀬ケ原・戦場ケ原(栃木県),中禅寺湖(栃木県)などの湿原や湖沼群,華厳滝(栃木県)・三条ノ滝(福島県・新潟県)に代表される瀑布などの自然景観と,東照宮(栃木県日光市)や輪王寺(栃木県日光市)などの文化景観からなる。本県に属する公園区域は尾瀬地区と丸沼・菅沼を含む日光白根山地区である。尾瀬地区は群馬・福島・新潟の3県にまたがり,尾瀬沼と尾瀬ケ原に代表される自然景観地域で,本州最大の高層湿原が形成されている。湿原はブナ・シラカバなどの落葉広葉樹林に囲まれ,貴重な動植物の宝庫として周知されている。日光白根山地区は群馬・栃木の2県にまたがり,日光白根山(2,577.5m)と丸沼・菅沼を中心とする自然景観地域であり,訪れる観光客は主に登山・ハイキング・キャンプを目的にしている。尾瀬地区と日光白根山地区は昭和28年3月22日に特別保護地区に指定され,それらの自然景観が保護されるようになった。この公園は首都圏外縁に位置し,JR日光線や国道120号・401号などが通るため,交通条件は比較的良好である。しかし国道120号の金精峠は積雪のため冬期間通行できなくなり,国道401号は大清水(片品村)と沼山峠(福島県南会津郡檜枝岐村)間で自動車交通が不通になっている。昭和60年現在の観光客総数は尾瀬地区40万人と日光白根山地区80万人,日帰り客が約70%を占めていた。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7046561