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八幡宮
【はちまんぐう】


前橋市本町2丁目にある神社。旧県社。祭神は品陀和気命。前橋八幡宮ともいい,古くは厩橋八幡宮と称した。社伝によると貞観元年の創建とも,在原業平の子孫が勧請したともいう。元亀2年4月16日に北条高広は神領からの夫伝馬,祭礼時の地頭の策配を禁じ,拝殿再建のために「真壁三清寺分之内赤城之御神領,泉浄寺三貫文之所」を寄進した(前橋八幡宮文書/県史資料編7)。天正12年8月16日に北条(きたじよう)高広は諸役停止を改めて安堵し,同15年7月18日にも「御供面八貫文之処并寺内共ニ」守護不入とした(同前)。同19年2月15日に前橋城主平岩親吉は田畑15石ならびに寺家門前の諸役を免除し(同前),慶長7年12月26日には酒井雅楽介が同様に免除した(群馬県古城塁址の研究補遺篇上)。前橋が商都として発展するのに伴い総鎮守として信仰され,1月9日の初市は江戸期からの名残で,市民から集めたお札やだるまを境内の御神火で点火し,1年のお祓いをして,摂社八坂神社の神輿が本町へ渡御する神事が行われ多くの人々でにぎわう。また子育て八幡として知られ,七五三の祭りには多くの参拝がある。社宝として北条氏書状を中心とした八幡宮文書,境内から出土した奈良期の白銅伯牙弾琴鏡があり,ともに市重文。また,前橋藩主松平忠明が寄進した後陽成天皇宸筆神号もある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7046656