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布施
【ふせ】


旧国名:上野

破風山北麓赤谷川下流右岸に位置し,北部を須川川が西流し赤谷川に合流する。地名の由来について「地名辞書」には「布施とは山路の伏廬(ふせや)を置かれしに因れる名なるべし」とあり,奈良・平安期に主要道路の難所に設けられた緊急用の宿泊所の布施屋にちなむとし,また敷勢の意から傾斜地のことをさすとも考えられるが,詳細は不明。縄文時代の集落・住居跡および遺物包蔵地が数か所ある。特に新治村役場遺跡から発掘されたものには,南関東地方の安行式系統の影響を受けた土器,東北地方大洞式系統の影響を強く受けた土器,沈線と小突起の施された土器,折返し口縁を持つ粗製土器,無文の粗製土器,文様の施されている粗製土器があり,石製品では刺突貝・石錐・サイドスクレイパー・打製石斧・磨製石斧・砥石・たたき石・石剣・異形石器・石核と剥片があった。この遺跡は縄文中期の諸遺跡と後・晩期の遺跡が段丘を異にして占地している(発掘報告書)。箱崎城跡は布施小三郎金善の築城で,真田昌幸・北条氏・原沢大蔵らの地衆が守っていた。別名鳩崎城・箕輪地とも呼ばれた。この城は丘城で,丘城の特徴である「壕」と「帯郭」とが全くなく,堀切りと土居とが主な築城素質になっていて,沼田市町田にある小沢城と類型である(群馬県古城塁址の研究下)。
布施(中世)】 戦国期に見える地名。
布施村(近世)】 江戸期~明治22年の村名。
布施(近代)】 明治22年~現在の大字名。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7046891