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武尊神社
【ほたかじんじゃ】


利根郡川場村川場湯原にある神社。祭神は日本武尊。古くは薬師堂であったが,現在は武尊宮となり,社殿は文化年間に再建されたもの。利根郡の中央にそびえる武尊山は,この地方の人々にとっては神聖なる山であり,山神を遥拝する所にホタカ大明神が祀られ,「群馬県神社輯覧」によると,利根郡内に16社の武尊神社がある。「上野国神名帳」群書類従本に保宝高明神,総社神社本に実高明神と見え(県史資料編6),ともに従一位とある。利根郡の部の第一位に記されるが,それが現在どの社を指すのかは不明であるが,この地方の第一の神であった。武尊山は修験者の修行の場となり,川場村は武尊山の登山口で,川場温泉に一泊し登山に出発する祈祷所で,遥拝所でもあったので武尊の神が祀られたのであろう。現在武尊神社は日本武尊を祭神とするが,古くは山そのものが神であり穂高見命であった。かつてホタカは宝高・保鷹・穂高などと書いたが,江戸期に入って武尊となった。なお武尊神社の中には猿追い祭(片品村花咲)・申祭り(片品村幡谷)・ニギリックラ(片品村越本)・エーッチョ祭り(利根村薗原)など特殊神事のある社が多い。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7046951