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妙義神社
【みょうぎじんじゃ】


甘楽(かんら)郡妙義町妙義にある神社。旧県社。祭神は日本武尊・豊受大神・菅原道真。伝承によると日本武尊が沙義の白雲山に社を建て波己曽(はこそ)神としたといい,社伝では宣化天皇2年の創建という。貞観元年に波己曽神とあり,3月26日に従五位下に叙され,元慶3年閏10月4日に従五位上,翌4年5月25日に正五位上に昇叙した(三代実録)。「上野国神名帳」(総社神社蔵/県史資料編6)の碓氷(うすい)郡に従二位波己曽大明神と見える。波己曽社は岩社(いわこそ)を意味し,山自体を神として祀りはじめたと考えられ,江戸初期に妙義の白雲山・金洞山・金鶏山の神を合祀し妙義神社となり,その後に祭神名が定まったのであろう。神仏習合の時代には現在の社務所の所に白雲山高顕院石塔寺があり,妙義神社を鎮守とした。石塔寺はもと新田の長楽寺の末寺であったが,江戸期には上野東叡山寛永寺の座主輪王寺宮の隠居寺に当てられ,慶安元年に妙義領として岳村内で朱印30石を与えられた(寛文朱印留)。現在の社務所はその御殿である。妙義講は関東一円に及んでいる。社殿(本殿・拝殿・幣殿・唐門・随身門・青銅鳥居・総門・石垣)は宝永期から宝暦2年頃までの再興と推定され県重文で,神楽殿(旧拝殿)も宝暦2年以降神楽殿として使用され県重文である。宝物として,中国宋代の沙門常謹が撰した地蔵菩薩霊験記の4つの説話を題材として描いた絵巻物「地蔵菩薩霊験記」があり国重文。




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「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7047159