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雷電神社
【らいでんじんじゃ】


邑楽(おうら)郡板倉町板倉にある神社。旧郷社。祭神は火雷神・大雷神・別雷神。聖徳太子が東国巡遊の時に建立し,坂上田村麻呂が東征の途次に戦勝祈願して社殿を再建したとの伝承があるが未詳。上州名物の1つに雷があり,落雷による災害をもたらす一方,雨をもたらす水の神,さらに作物の神としての雷神信仰は古くからあり,当社の分社は県下はもちろん栃木・茨城・埼玉・千葉の各県に数多く,雷電信仰の中心的存在の1つ。「上野国神名帳」(総社神社蔵/県史資料編6)に従四位火雷明神と見える。社蔵の棟札によると,天文16年に飯野城主篠崎三河守,元亀4年に長尾景長・顕長,慶長16年に徳川秀忠,寛文4年に徳川綱吉らが社殿を修繕した。なお綱吉により葵紋の使用が許されている。現社殿は文政2年に別当の新義真言宗竜蔵寺秀恵の勧進建築で,広壮美麗な建築と彫刻は見るべきものがある。現在もなお「板倉さま」といわれ,作神,雹乱除の神,雨乞い神として農民の信仰が篤く,講をつくって参詣に来る。電気事業関係者の祈願も多い。例祭は5月1~3日。夏越神事は7月30日夜の神事と翌31日茅の輪流しが有名で参詣者も多い。また里神楽「火男(ひよつとこ)踊り」がある。なお本殿の後方にある末社八幡宮稲荷神社社殿は2間社流れ造りで,左側が稲荷神社,右側が八幡宮で天文16年の造営で室町期の特色をよく伝え,国重文である。




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「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7047393