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足立神社
【あだちじんじゃ】


「延喜式神名帳」に載る足立郡四座のうちの1座。足立神社の所在については,植田谷本村(現さいたま市)説・水判土(みずはた)村(同市)説,鴻巣(こうのす)の久伊豆(ひさいず)神社説,三室郷宮本村(現さいたま市)の宮本明神説・賀茂宮村(同市)の賀茂社説などの異説がある。「新編武蔵」は,植田谷領本村の名主,小島勘太夫の屋敷内にあった足立神社にふれ「延喜式神名帳に載する足立神社は当社なりと云う。されど正しき証迹なければ定めがたし」と述べている。現在,足立神社と称するものに,さいたま市飯田の足立神社がある。祭神は猿田彦命ほか17柱。古くは氷川八幡合社と称していたが,明治45年,植田谷本の足立神社,水判土の足立神社,三条町の十二所神社など20社を合祀したときに,社名を足立神社と改めた。水判土の足立神社については,「新編武蔵」には何の記載もないが,現在慈眼寺の境内となっているところに,かつて足立神社があったといい伝えられている。アダチが川岸・川端などを意味し,芦立の義だとすれば,地形的にはよくあてはまる場所である。また,さいたま市上木崎字足立の足立神社説もある。もと高塙(たかはな)明神社と称し,祭神は猿田彦ほか9柱。その他の説は証拠とすべきものや口碑もなく,想像の域を出ない。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7047573