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熊野神社
【くまのじんじゃ】


秩父(ちちぶ)郡荒川村白久(しろく)に鎮座。祭神・伊弉諾命,伊弉冉命・日本武尊。社伝によると景行天皇40年,日本武尊は東征の帰途甲斐国から雁坂(かりさか)峠を越えて三峰(みつみね)山に参拝。途中この猪鼻(いのはな)集落にさしかかったところ,突然1匹の猪が現れ,尊の軍旗を牙にかけて走り去った。尊はこれを追って矢で射たおしたところ,猪ではなくて山賊であった。里人が鬼神のように恐れていた賊の一党を滅ぼした尊は非常に喜ばれ,これも大神のお導きであるとしてこの地に神社を祀ったのが当社の始まりだといわれている。この時土地の人たちがお礼として差し上げた濁酒を尊はお気に召され,造酒をお奨めになったと伝えている。のち天平8年国中に疱瘡がはやった時,葛城連好久卿が三峰山に参拝の途中,この熊野神社に祈願したので,その後は例祭行事として,日本武尊に甘酒を捧げ,あわせて疫病を払うため,毎年7月25日に甘酒祭を行っている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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