前玉神社
【さきたまじんじゃ】

行田(ぎようだ)市埼玉(さきたま)に鎮座。もと浅間神社とよんでいたが明治維新のとき旧名の前玉神社に改称。祭神，前玉彦命・前玉姫命。当社は式内社旧埼玉郡四座の１座と伝えられ，埼玉郡の総社。前玉は埼玉の語源であり，埼玉県の名の起こりはここだという説がある。付近に有名な埼玉古墳群があり，「埼玉の津」や「小埼沼」も近い。当社も浅間塚(せんげんづか)古墳の上にある。社地中に養老山延命寺という真言宗の別当寺があったが，明治３年に廃寺となった。この寺が焼失した時に当社の記録などもすべて失ってしまった。一説には中世浅間神社を社内に勧請したが，この神社のほうが盛んになってしまったので本社までも浅間の神号におかされ，ともに浅間社と呼ばれるようになったという。大正10年枯木が倒れて本殿が破壊され，翌11年拝殿・幣殿を改築した。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7049461