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第六天神社
【だいろくてんじんじゃ】


岩槻(いわつき)市大戸に鎮座。祭神,面足(おもだる)尊ほか7柱。創立は天明2年6月15日と伝える。武蔵国第六天の1つ。火災・盗難,その他の災難を除き,家内安全・五穀豊穣の霊験あらたかで,昔から崇敬者が多い。昔この大戸村に堀切力弥という侠客が住んでいた。力弥はいつも生活苦の者10数人を養っていた。ある時草刈りをしていた所,1体の立派な神像を発見した。力弥はこれを家に持ち帰り,丁重に祀り,日夜礼拝した。するとある晩,白髪の老人が夢枕に立ち「わしはおまえが日夜礼拝するところの天神である。今年の初夏か秋の初めにかけて悪病が流行し,多くの人々が死ぬだろう。それゆえおまえは今から第六天を唱えて信仰をおこたってはならない」と言った。はたしてその付近一帯は悪病が流行し,死者が多く出た。幸い,一心不乱に礼拝を続けた力弥一家は無事だった。これを聞いた近在の人々がお参りにおしかけたので,力弥はもとの場所へご神体を移し,祠を建てて参詣人の便宜をはかったが,これが現在の第六天であるという。この神社の青天狗と赤天狗の絵馬は珍しい。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7050205