100辞書・辞典一括検索

JLogos

7

玉敷神社
【たましきじんじゃ】


北埼玉郡騎西(きさい)町騎西に鎮座。古くは久伊豆大明神と称した。祭神,大己貴(おおなむち)命。「延喜式神名帳」にある古社と伝えられ,明治維新まで旧埼玉郡中の総鎮守,騎西領48か村の氏神であった。創立は成務天皇の6年,兄多毛比(えたもひ)命が武蔵国造になった時,出雲大社の分霊を遷座したとも,文武天皇の大宝3年に多治比真人三宅麿が東山道鎮撫のため東国に下った時ともいわれている。武蔵七党の1つ私市(きさい)党の崇敬を受けた。永禄5年3月,上杉謙信が隣村の根小屋にあった私市城を攻略した当時は城の大手門先にあったらしく,兵火にかかって社殿宝物すべて焼失したので,隣村の正能村へ遷座,慶長5年大久保加賀守忠隣が騎西城主となって厚く崇敬し,その孫の忠職に至り,寛永年中現在の社地すなわち宮目神社の社域に社殿を造営,社領を寄進した。一社相伝で伝わる玉敷神社神楽は,県無形民俗文化財。また境内にある藤は樹齢300年と推定され,1本の幹から680m(^2)の広がりをもっており,5月の開花期にはみごとな花房をつけ,見物客でにぎわう。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7050358