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塚越
【つかごし】


旧国名:武蔵

県南東部,荒川(旧入間(いるま)川)下流左岸の自然堤防とその後背地に位置する。地名の由来は「古廻国の沙門経文を埋めて塚を築し地なれば,古経塚腰村と唱えしを,後上略し又腰の文字を改めしと云伝う」,塚上に鎮守稲荷社があり「高さ二丈余,経十二三間,松杉など繁茂せしさまいかにも古塚と見ゆ」という(新編武蔵)。平安期には極楽往生・現世利益の祈願,供養として経塚信仰が行われたが,それにちなんだ地名であろう。また地元の伝承では,塚越へ入る手前(芝中田)に落武者の大きな塚2つがあり,それを廻り越した集落だから「向う塚越」と呼び継いできたといい,あるいは塚越7丁目に武将を祀った大きな塚2つと小さな塚3つがあり,それを右手に通る向うの村落だから塚越と呼んだという。塚越内でも稲荷社鳥居近くの家の屋号は稲荷越(とうかごし)の家と呼ぶ(蕨市立東小学校百年の歩みと塚越)。同村名は入間(いるま)郡にもあり,小字名は数多い。塚の麓・塚の側とも解しうる(地名誌)。
塚越村(近世)】 江戸期~明治20年の村名。
塚越(近代)】 明治22年~昭和41年の大字名。
塚越(近代)】 昭和41年~現在の蕨市の町名。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7050433