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八幡神社
【はちまんじんじゃ】


比企(ひき)郡小川町大塚に鎮座。祭神,誉田別(ほんだわけ)尊ほか4柱。社伝によると,建治2年後深草天皇の第3皇子梅王子の霊を祀ったことに始まるという。鎌倉幕府没落に際し,当時将軍であった守邦親王は武蔵国へのがれ慈光寺(比企郡都幾川(ときがわ)村)のふもとで亡命の日々を送っていたが,土豪の猿尾(ましお)氏に迎えられ,当地の梅香園に仮寓して梅王子と称したという。かつて尊崇厚かった鶴岡八幡宮を鎮守神明社の境内に勧請して再挙を図ったが,時機到来しないまま親王は亡くなったので,土地の人々が親王の霊を神明社とともに八幡宮に祀り,毎年9月19日(現10月19日)親王が生前,的場の地で馬術を練習した故事にならって流鏑馬を奉納して今日に至っているといわれる。しかし,大梅寺伝では梅王子の死は永仁3年で,守邦親王の死は元弘3年であり,約40年のずれがあり,同一人物ではない。慶安2年10石2斗の朱印を賜った。また寛政の頃下野(しもつけ)国壬生(みぶ)城主鳥居忠寿から陣羽織の奉納があり,社宝として残っている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7051204