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氷川神社
【ひかわじんじゃ】


さいたま市高鼻町に鎮座。祭神,須佐之男命・稲田姫命・大己貴(おおなむち)命。旧官幣大社。社記によると,第5代孝昭天皇の3年4月未日の創立と伝えられている。景行天皇の時,日本武尊が東征の折,当地に足を止めて祈願したとも伝えられる。成務天皇のとき无邪志(むさし)国造兄多毛比(えたもひ)命が出雲族をひきつれてこの地に移住し,祖神を祀って氏神とした。聖武天皇の時武蔵一の宮と定められ,「延喜式神名帳」に大社として載せられたのがこの社と伝えられる。治承4年源頼朝は土肥実平に命じて社殿を再建して,社領3,000貫を寄進,建久8年には神馬神剣を奉納した。土御門天皇の時に正一位に進階したと伝えられる。古くから武将の信仰が厚く,平貞盛・執権北条氏・小田原北条氏などは深く崇敬し,徳川家康も朱印地300石を寄進している。徳川家はまた社頭を造営させたりもしている。明治になって都が東京に移った時,明治天皇は当社を武蔵の国の鎮守,勅祭の社と定め勅書を賜り,天皇自ら3度参拝し,年々の例祭には勅使を遣わした。明治15年本殿・拝殿などを改造し,さらに昭和15年に本殿・拝殿などを作りかえた。当社には特殊神事が多いが,中でも毎年12月10日に行われる大湯祭(だいとうさい)は十日市(とうかまち)として知られ,多くの参詣者で賑わう。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7051421