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宝登山神社
【ほどさんじんじゃ】


秩父(ちちぶ)郡長瀞(ながとろ)町長瀞に鎮座。祭神,神武天皇・大山祇命・火産霊(ほむすび)命。社伝によると,景行天皇の41年,日本武尊東征のおり宝登山に分け入った時,賊の放った矢で一面の山火事となり,尊はこれに巻き込まれたが,戌亥(北西)の方角より多数の山犬が現れ,猛火に体を転がして火を消し止め,尊の難を救うと姿を消した。尊はこれは大山祇神に属する霊犬であるとさとり,当山鎮護の神である大山祇神と火防守護の神の火産霊命を拝し,さらに山頂に神籬(ひもろぎ)を立てたのに始まるという。火を止めたので火止(ほど)山と名づけ,のち宝登山としたという。一説には,慶雲5年秩父国から朝廷に献上された和銅(自然銅)は,実はこの周辺から採取されたもので,銅鍛錬の火所を建てたので火所山とよび,のち宝登山としたともいわれる。奈良期に至って天長年間空海が当地に来て参籠し,密法を修めたと伝えられる。さらに永久年間空園は当地に寺を建立し,玉泉寺と称した。のち別当職として長く当社を管理経営してきたが,明治維新の神仏分離の時廃止し,神職を設けた。当社は古くから農商の神,火防・盗難除けの神として東国一円に信仰が厚い。




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「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7051748