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三芳野神社
【みよしのじんじゃ】


川越(かわごえ)市郭(くるわ)町に鎮座。祭神,素盞嗚(すさのお)尊・稲田媛命,配祀,菅原道真・誉田別(ほんだわけ)尊。創立は大同2年と伝えられる。一説には,大宮の氷川明神を勧請したとも,京都の北野天神を勧請したとも伝えられる。この三芳野という社名は,「伊勢物語」に出てくる「入間の郡三芳野の里」という地名が川越の旧地名なのでつけられたといわれる。入間郡三芳野の里田面沢の景勝の地で,古くから文人・武家の尊崇厚く,在原業平・新田泰氏・太田道灌・徳川家康,歴代川越城主は深く信仰した。新田泰氏が正平24年奉納した五本骨の銅扇は国重要美術品である。また太田道灌は川越築城に際し,城内の守護神として崇敬した。天正19年徳川家康から社領20石の寄進があり,元和9年3代将軍家光は社殿を造営させ翌年竣工した。以来幕府直営の神社として営繕が行われた。この三芳野神社創建から遷宮式に至るまでを書いた絵巻物(三芳野天神縁起)は県文化財。現在の社殿は寛永元年に造営された入母屋造であり,明暦2年の棟札とともに県文化財。また「ここはどこの細道じゃ 天神様の細道じゃ」という童謡は,この神社から起こったものともいう。年に1度庶民に参詣の許された時,警固の兵士ににらまれながらの参詣をうたったという。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7052217