100辞書・辞典一括検索

JLogos

11

鷲宮神社
【わしのみやじんじゃ】


北葛飾(きたかつしか)郡鷲宮(わしみや)町鷲宮に鎮座。大鳥明神ともよばれる。祭神,武蔵国造天穂日命・武夷鳥(たけひなとり)命。景行天皇の時の創建と伝える。鷲宮は古く土師部の居住地といわれ,社名も土師の宮と称したことに由来するという。鎌倉期から武家の尊崇が厚く,「吾妻鏡」にしばしば散見する。建久4年11月19日には,前々日当社の宝前に血が流れ,占ったところ兵革の兆があったため,源頼朝は神馬を奉献し,社殿の造営を命じている。また建仁3年10月14日にも神馬が奉献されている。建長3年4月13日,北条時頼は,若宮別当法印を遣し当社に奉幣して,19日には神楽奉納を行っている。また翌建長4年4月14日の宗尊親王の将軍始めの際にも当社に奉幣し神馬を奉献している。また室町期に至っても,古河公方や小田原北条氏から手厚い保護を受けており,天正19年には,徳川家康から寺領400石の寄進を受けている(鷲宮神社文書/埼中・武文)。県の無形民俗文化財に指定されている「土師一流催馬楽神楽」は,関東神楽の源流と認められる。また神楽殿が本殿に向かいあっている位置も,ここの神楽の古さを示している。そのほか,国の重要文化財の「吉次」の太刀や,県文化財の銅製双鶴蓬莱文鏡(鎌倉期)など文化財が多い。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7052612