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猪鼻公園
【いのはなこうえん】


亥鼻公園とも書く。千葉市街に突き出た猪鼻台の先端部分にある市立公園。面積1万m(^2)。昭和34年開園。大治元年当地に千葉常重が猪鼻城を築城して以来,約330年間千葉氏の居城となったが,康正元年13代輔胤の時に一族と家臣の反乱で焼失した。「千葉実録」によれば,本丸が亥の方角に突き出ているので猪の字を当て,猪鼻と称したという。城は木造の門や物見櫓がある小規模なものであったといわれるが,北は都川を自然の水濠とし,西は断崖,南は複雑な谷,北は台地続きの起伏のある谷を形成する要害の地にあった。現在城の遺構は本丸を囲んでいた土塁が残るにすぎない。昭和42年城址に小田原城や会津若松城を模した四層五階建の天守閣が築造され,歴史資料や展望台を備えた郷土館として利用されている。郷土館周辺には県立中央図書館・文化会館などが点在し,文化の森とも呼ばれている。郷土館の南には縄文時代後期の猪鼻貝塚があり,その北西の台地下には「お茶の水」と呼ばれる清水が湧き出ていた。これは千葉常胤が源頼朝を猪鼻城に迎えたときにお茶を立てたといわれるもので,その起源は平良文の子忠頼が生まれたとき湧き出て産湯に使ったのが始まりとされ,その後千葉氏代々産湯として使い赤子の武運長久を祈ったと伝えられる。「総葉概録」によれば,徳川家康が鷹狩の際立ち寄りその水を賞して以来,人の飲むことを許さなかったという。現在水はかれ,水道の水を流して当時の面影をとどめている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7053040