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老尾神社
【おいおじんじゃ】


八日市場市生尾にある神社。祭神は阿佐比古之命・国常立之神・磐筒之男神・磐筒女神。匝瑳之大神・匝瑳明神などと呼ばれていた。現在では総社さまが通称。社伝によれば,崇神天皇7年に神田を授かり恒例の祭祀を始めたという。また同じく社伝では当社祭神を経津主命の御子の阿佐比古之命とするが,「続日本後紀」承和2年3月16日条によれば,かつて物部小事大連が東夷を征した勲功によって下総国に匝瑳郡を建郡し,郡名を氏としたという。そして当社は古来から匝瑳の郡名を冠して呼ばれていたということから,当地を本貫としていた物部匝瑳宿禰がその祖神(物部小事大連)を祀ったものとも考えられる(下総式社考/房総叢書)。「延喜式」神名帳匝瑳郡条に「老尾神社」と見えるのが当社のことであろう。正平24年5月に社殿が焼失したため千葉満胤が再建し神田を寄進したと伝える。また足利晴氏・千葉満胤は当社の大宮司が匝瑳・海上2郡の諸社社人の長たるべきを沙汰したと伝える(匝瑳郡誌)。別当として見徳寺(八日市場市イ)・光福寺(八日市場市飯塚)の名が見える(下総式社考/房総叢書)。明治6年10月に郷社。氏子区域は旧匝瑳郡全郡だったが,現在は生尾地区のみ。例祭(1月13日)には御奉謝祭がある。板碑1基(市文化財)と神木の大杉(市天然記念物)がある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7053288