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葛飾八幡宮
【かつしかはちまんぐう】


市川市八幡町にある神社。祭神は誉田別命・息長帯姫命・玉依比売命。寛政5年に当社枯木の根元から発掘された元亨元年12月17日在銘の梵鐘(県文化財)の銘文によれば(市川市史2),宇多天皇の寛平年間に勅願により建立され,建久年間以降,源頼朝の崇敬を受けたというが,おそらく事実ではあるまいと思われる。石清水八幡宮・宿院極楽寺に下した保元3年12月3日付官宣旨に,極楽寺領として「下総国,葛餝別宮」と見える(石清水文書1/大日古)。文治2年2月の「関東知行国々内乃貢未済庄々以下注文」には「下総国八幡,二位大納言」と見える(吾妻鏡文治2年3月12日条)。鎌倉期以降は幕府とゆかりの深い鶴岡八幡宮の勢力下に入り,別当職も関東御教書により補任された(正和5年閏10月5日付関東御教書,相承院文書/県史料県外)。天正19年11月には徳川家康から52石の朱印地を寄進されている(寛文朱印留)。祠官として「鈴木主馬」の名が見え(下総式社考/房総叢書),神宮寺は東叡山寛永寺末の八幡山法漸寺。明治3年の神祇官への報告では,氏子8か村,禰宜1軒,社家3軒,社領百姓37軒(社寺取調類纂)とある。江戸期には8月15日の祭礼に舞大夫によるつく舞がなされていた。明治13年に郷社,大正12年に県社。9月15日の例祭には,関東第一といわれる「農具市」がたつことで有名。千本イチョウ(国天然記念物),随神門(市文化財),古鏡(県文化財)・経筒などがある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7053794