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川口神社
【かわぐちじんじゃ】


銚子市川口町にある神社。祭神は速秋津姫命。かつては川口明神(利根川図志)・白紙大明神と呼ばれた。飯貝根の川口山の山上にあり,銚子港の出船・入船の良い目印となっている。当社の創祀については社伝もなく未詳だが,一説では寛和2年という(海上郡誌)。また伝承では四日市場の長者の娘延命姫が安倍晴明を婿としたが,娘の容貌が醜かったため晴明は履物を海岸に置き親田村の真福寺に隠れた。娘はそれを見て晴明が死んだものと思い,自分も後を追って水死した。そのため里人は娘の不幸を哀れみ,娘の歯と櫛を当地に埋め歯櫛明神と称えたのが当社で,のちに白紙明神と称するようになったという(同前)。そのため容貌の醜いものでも当社に櫛と鏡を納めて祈願すれば美貌となると信じられていた。また当社の白粉を付けると痣が治るとされ,近世には痣やソバカスに悩む女性の参詣が多かったという。また当社の立地条件から銚子・茨城・福島などの漁師の崇敬を受け,銚子沖で漁獲して銚子港に入る時にはまず当社に鮮魚を奉納する習慣がある。明治3年に現社名に改め,同12年村社に列格。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7054030