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里見公園
【さとみこうえん】


江戸川に面した下総台地の西端,市川市国府台にある市立公園。昭和34年開園。面積5万m(^2)。公園一帯は国府台城址で,その歴史は「此国府台ノ城ト申ハ近国無双ノ城郭也。文明十一年太田道灌ガ臼井ノ城ヲ責シトキ初テ城ニ取立ケルナリ」(相州兵乱記巻3/市川市史料)とある。この城をめぐって里見氏と北条氏が天文7年と永禄7年の2度戦いを交えたが,いずれも里見氏の敗北に終わった。天正18年徳川家康によって廃城となり,徳川家綱のとき関宿(せきやど)から総寧寺が移された。明治期になって陸軍教導団,次いで野砲兵連隊が置かれ,さらに昭和期には高射砲陣地として要塞化された。公園名は里見氏激戦の地により名付けられた。公園内には土塁と空濠の跡があるほか,太田道灌築城のとき発見されたと伝えられる組合せ式石棺2基がある。これは古墳時代後期の緑泥片岩製で明戸(あけど)古墳と呼ばれ,市史跡に指定されている。公園内には桜並木・梅林などがあり,昭和45年には北原白秋が小岩在住当時住んだ紫烟草舎が移築された。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7054768