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猿田神社
【さるたじんじゃ】


銚子市猿田にある神社。祭神は猿田彦大神・天鈿目命・菊理姫命。猿田山権現とも称し(寛文朱印留),現在では御猿田様が通称。社伝によれば垂仁天皇25年11月15日の創祀で,神功皇后の時に生田神社(神戸市生田区)の摂社となったという。大同2年に社殿を造営,康平年間には源頼義が神田を寄進したという(海上郡誌)。源頼朝は神田若干を寄進し,天文年間に古河公方足利晴氏が金印を奉納した(現存)。また郡中総鎮守であったが(海上郡誌),永禄年間に当地に侵入した正木大膳と海上肥後守との合戦の際に兵火にかかり社殿・旧記を焼失したという。元亀年間に本殿などが再建されたものの,その後しばしば火災に遭遇し,天正元年にも焼失している。翌年に雨屋(本殿)と本殿(雨屋内に安置された宮殿)3基を造営したが,延宝年間に古社の流儀に従って雨屋を改造し,同8年8月5日に遷宮を行った(棟札)。現存の本殿(雨屋)はこの時のもので,県内で規模の大きい三間社流造として県文化財。これより前の天正19年11月,徳川家康から社領30石と社中竹木諸役免除の朱印を授けられた(寛文朱印留)。延享5年には拝殿が造営されている(現存)。当社は庚申の総本社として古来から庶民の信仰を集め,特に11月15日の例祭(七五三祝)は有名。また雨乞信仰や当社の水で目を洗うと眼病が治るという信仰もある。面積1万8,000m(^2)を有する社叢が県天然記念物のほか,文政5年の葛飾北斎筆と伝える大額面などがある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7054797