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浅間神社
【せんげんじんじゃ】


千葉市稲毛町にある神社。祭神は瓊々杵尊・木花咲耶姫命・猿田彦命。「浅間さま」と呼ばれる。地名を冠して稲毛浅間神社ともいう。社伝によれば,大同3年の5月30日に村人が富士浅間神社の神霊を勧請したのが当社の創祀という。その後,治承4年には源頼朝が東六郎胤頼を使者として当社に武運長久を祈願している(社伝)。また千葉常胤以来,千葉氏の尊崇を集め,たびたび祈願,社殿造営がなされているが,文治3年の社殿再建に際して富士山の形に盛り土し,参道も富士登山道と同様に三方に設け,社殿も富士山と向かい合うように建てられたという。天正17年2月18日に地頭大野勘解由左衛門が社領30石を寄進し,また寛文5年8月31日には地頭浅倉仁左衛門と石川土佐守が入会地松林5反歩を寄進したと伝える。千葉市名勝の1つとして有名な当社境内をはじめとする付近一帯の老松(稲毛の松林)は4,800坪に及ぶものである。当社は古来から火難除・安産祈願の神として近郷の人々の信仰を集めた。現在でも安産・子育ての神として地元だけではなく関東一円の尊崇を集め,例祭日の7月15日には1・3・5・7歳の幼児は必ず参詣する習慣がある。また正月14日の晩にも安産祈願の祭事がある。なお例祭日に神楽殿で奉納される12座の神楽舞(県無形民俗文化財)は永正元年に九州からきた神主大越蔵之助が村人に伝えたもので,旧家の長男を中心にして伝えられてきた。江戸神楽の影響を受けている(千葉市史近世近代編)。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7055295