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蘇我比咩神社
【そがひめじんじゃ】


千葉市蘇我にある神社。祭神は天照大神・蘇我比咩大神・応神天皇・御霊大神。中世以降は春日大明神と称した。社伝によれば,日本武尊の東征の際に妃弟橘姫が入水して海神を鎮めることができたが,その時に蘇我大臣の娘と都から同行してきたほかの3人の姫もともに海中に身を投げた。しかし蘇我大臣の娘は市内蘇我の海岸に打ち上げられ,里人の看護で無事都に帰ることができたという。その後応神天皇の時に蘇我一族のものが当地に国造として派遣され,蘇我大臣の娘(蘇我比咩)を祀ったのが当社の創祀というが,当地はかつての曽我野の地で蘇我氏に属する部民の居住地と考えられ,当社は彼らの氏神を祀ったものであろう。「延喜式」神名帳千葉郡条に「蘇賀比咩神社」と見える。天正19年11月に徳川家康は当社に10石の朱印地を寄進しているが,ここでは「春日大明神社」と見える(寛文朱印留)。古くは千葉郡一円の総鎮守社であったといい,神宮寺は春光院と伝える。文化9年に火災のため社殿などとともに神宮寺も焼失(千葉郡誌)。明治5年郷社。同33年10月社殿を造営。蘇我町が氏子区域。




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「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7055342