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側高神社
【そばたかじんじゃ】


佐原市大倉にある神社。祭神は天日鷲命。香取郡を中心に分布する側高(曽場鷹・脇鷹・脇高)神社の本社で,古くより香取神宮の第1の摂社と呼ばれる(下総式社考/房総叢書)。「下総名勝図絵」に「此の大神,昔,奥州の長者が許より馬千匹を捕り来れり……その馬を放ちたる所を今に牧野村といふ」とあり,また「香取志」にも,香取神の命令で陸奥に赴いた祭神が馬2,000疋を招来して牧に放ったとあるから,当社は香取郡内の牧の神であったと考えられる。社伝によれば香取神宮が創祀された神武天皇80年に当社も創設されたとする。「下総名勝図絵」「新編常陸国誌」などに,社地は大江に面して岸が高くそびえているのでソバタカというとあるように,昔の外浪逆浦に臨む水上交通の要地でもあった。「地理志料」に,香取明神が天下の租税を掌っている時,側高神に船津を与えて大倉に税を収めさせたと見え,この地が香取神宮に属する船津の1つであったことが推定される。「千葉大系図」によれば,千葉常重は千葉築城に際して,城の守護神に曽場鷹大明神社を建立したとあり,千葉氏の上総進出に際しても勧請されている。しかし中世・近世の沿革は未詳な点が多い。例祭時には香取神宮の神官が必ず奉仕していたと伝える。明治6年郷社に列した。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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