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高家神社
【たかべじんじゃ】


千倉町南朝夷にある神社。祭神は磐鹿六雁命。社伝によれば,景行天皇が安房浮島宮に赴いた時,磐鹿六雁命が天皇に大蛤を献上したところ,これを賞して六雁を膳大伴部と号せしめたという。「日本書紀」景行天皇53年10月条や,「高橋氏文」に見える六雁の記事によった伝承で,当社は六雁由縁の神社であるという。「延喜式」神名帳朝夷郡条に当社名が見える。社伝に,元和6年この地の名主高木吉衛門が地中から1体の木像と「御食津神,磐鹿六雁」「天照皇太神」と記された古鏡2面を掘り出したところ,巫女に託宣があったので,仮殿を高木家内に建てたという。その後,再び神託があって,近くの浦に神殿用の材木が打ち上げられたので,それで社殿を建立したという。高木氏が神主となり,当初は神明社を称していたが,文政2年に高家神社を名乗ったという。当社は近世に至って再興された神社で,必ずしも延喜式の高家神社から続くものかどうか断定し難い(安房国神社志料/房総叢書)。明治期以降,銚子の醤油業者が,料理の祖神として崇敬し始め,今日では全国各地の料理人の信仰を集めている。毎年11月23日に,神前で四条流包丁式が行われる。境内にはいくつもの包丁塚がある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7055474