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遠見岬神社
【とみさきじんじゃ】


勝浦市浜勝浦にある神社。祭神は天富命。明神様が一般的。「古語拾遺」によれば,神武天皇の時に斎部氏の祖である天富命が阿波国の斎部氏を率いて房総一帯を開拓した。天富命は当地に勝占忌部須々立を派遣したが,その後,天富命の所在は分からなくなってしまった。そこで富貴島に神祠を造って祀ったのが当社の起源という。一説には現社殿のある宮山という小字は天富命の墓所に由来するという。のちに富貴島は海食され,慶長6年に社殿の漂着した宮谷の地に社殿を造営した(夷隅郡誌)。さらに万治2年には領主植村土佐守が神占によって現在地に遷座。明和2年6月の火災により一時宮山中腹に仮殿を設けたが,文化11年8月再び現在地に復座した(同前)。勝浦の鎮守神として近郷の領主・里人の崇敬が篤かった。明治6年3月郷社。例祭日は9月13日で,15日にかけて浜下り潮祭・船渡し行事などが行われる。天保11年8月奉納の慈性親王筆の神額が現存する。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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